テーマ ダウン症のある人に生じやすい精神的諸問題とその対応
座長

竹之下 慎太郎(岡山大学病院精神科神経科)

※座長:発表する人に質問をする「質疑応答」や、会を順番に進めていく「進行」をする人
分科会要旨
ダウン症のある⼈には、年齢を重ねていくにつれ、その時々に⽣じやすい精神的な問題が
ある。⼩児期には、知的発達障害と⾃閉症スペクトラム障害などの発達障害、⾏動障害
が、療育や家庭の場⾯で問題になりやすい。個々の発達のスピードや合併症の状態は様々
であり、家族と医療、教育の機関が協⼒して、丁寧な⽀援が⾏われる必要がある。思春期
から成⼈期にかけては、進学や就労、⽣活環境の変化によるストレスを受けて、反応性に
精神的不調を⽣じやすい。年齢的にも相談先を⼩児科と精神科のどちらにするべきか家族
の⽅が迷ったり、ダウン症の診療経験をもつ医療機関が少ないなど地域的な問題が存在し
ていたり、相談先に困っている⽅も多く存在していると思われる。また、⽇本で「急激退
⾏症」と呼ばれていた、ダウン症のある⼈が10代を中⼼に⽣活機能や精神機能の低下を
⽣じるDSRD(Down Syndrome Regression Disorder)は、近年、診断や治療に関する研
究が活発に⾏われるようになっており病態解明が期待されている。40歳頃になると、リス
クが増加してくる認知症について必要時に評価を受ける必要がある。しかし、どのタイミ
ングで医療機関に相談するべきか、知的障害をもつ⼈の認知症をどのように評価するべき
か、どのような医療や⽀援が適切か、といったまだ解決されていない課題がある。この分
野は医療や介護の側にも経験が不⾜しており、模索が続けられている。ダウン症のある⼈
に⽣じやすい精神的諸問題について、当事者のご家族、⼼理、福祉、医療の専⾨家の視点
から情報を共有し、より適切な⽀援体制構築のために、意⾒交換をしたい。
分科会発表者
(以下敬称略)

「我が子の大きな変化に向き合って思ったこと」
公益財団法人日本ダウン症協会 専務理事 清野 弘子

武蔵野大学 人間科学部 社会福祉学科 木下 大生
「ダウン症のある人の精神医学的併存症と行動上の問題」
長崎大学 生命医科学域保健学系作業療法学分野 今村 明

岡山大学病院 精神科神経科 竹之下 慎太郎